伊藤忠商事と大阪ガスが世界最大手の水素生産企業へ出資

こんばんは。

本日は水素関連に関するニュース解説です。

以下AI作成

水素は、化石燃料に代わるクリーンエネルギーとして、脱炭素社会の実現に向けて注目されています。水素は、再生可能エネルギーから電気を使って水を分解することで、二酸化炭素を排出せずに生成できます。このような水素をグリーン水素と呼びます。グリーン水素は、自動車や船舶、火力発電所などの燃料として利用できるほか、輸送や貯蔵も可能です。しかし、グリーン水素の生産には高いコストと技術的な課題があります。そのため、水素の供給と需要の拡大には、国際的な協力とイノベーションが必要です。

伊藤忠商事と大阪ガスは、2021年10月に、ノルウェーの水電解装置メーカーであるNel ASA（以下、Nel社）と水素分野における戦略的業務協力に関する覚書を締結しました。Nel社は、世界最大手の水素生産の企業であり、100年近くにわたる水素事業の実績を持ちます。Nel社は、水電解装置の開発と製造だけでなく、水素ステーションや水素プラントの建設と運営も行っています。Nel社は、グリーン水素の生産コストを低減するために、水電解装置の大型化と量産化を進めています。

伊藤忠商事と大阪ガスは、Nel社と共同で、水素関連ビジネスの案件発掘と推進を行い、将来的には、生産・輸送・配給の各分野における関連企業との協業も視野に、国際的な水素バリューチェーンの構築を目指します。伊藤忠商事は、自社の国際ネットワークと調達力を活用して、水素の安定的な供給と需要の創出に貢献します。大阪ガスは、電力トレーディングやガスインフラの知見を活用して、水素の効率的な利用と市場の拡大に貢献します。また、両社は、大阪ガスの子会社である大阪ガスネットワーク株式会社が所有する千里供給所内に、系統用蓄電池事業を行う千里蓄電所株式会社を設立しました。この事業では、再生可能エネルギー由来の電力を使って、水電解装置を設置し、グリーン水素を生産することも検討しています。

伊藤忠商事と大阪ガスは、2021年12月に、デンマークの水素生産・貯蔵・配給の企業であるEverfuel A/S（以下、Everfuel社）への出資を発表しました。Everfuel社は、欧州でグリーン水素の供給と需要の拡大に取り組む企業であり、水素ステーションの建設や運営、水素の輸送や貯蔵、水素の販売やサービスなど、水素バリューチェーンの全てをカバーしています。Everfuel社は、欧州での水素市場のリーダーとなることを目指しており、2025年までに、年間100万トンのグリーン水素の生産能力と、年間10億ユーロの売上高を達成することを目標としています。

伊藤忠商事と大阪ガスが世界最大手の水素生産企業エバーフュエルへ出資する背景には、水素ビジネスの商業化に向けた戦略的なパートナーシップの構築と、欧州市場での水素の供給と需要の拡大に参画するという狙いがあります。欧州は、水素戦略の一環として、2030年までにグリーン水素の生産能力を4000万トンに、水素インフラの投資を470億ユーロに増やすことを目指しています。伊藤忠商事と大阪ガスは、Everfuel社との協力を通じて、欧州での水素の安定的な供給と需要の創出に貢献していきます。また、両社は、2050年にカーボンニュートラルを目指すという共通のビジョンを持ち、再生可能エネルギーの導入拡大にも取り組んでいます。伊藤忠商事は、2030年までに、再生可能エネルギーの発電能力を20GWに拡大することを目標としています。大阪ガスは、2030年までに、自社開発や保有に加えて、他社からの調達も含めて、国内外で500万kWの再生可能エネルギーの普及に貢献することを目標としています。